こんにちは、ミナキです!
突然ですが、山の晴天率は30%と言われています。残りの70%は雨か曇りになります。
また、1日中晴れが続くことはあまり無く、午前中は晴れていたのに午後は曇りや雨になることが多々あります。
そうなると、午前中と午後では環境が大きく異なるため、様々なリスクが発生します。
今回は山における気象のリスクとその対処方法について解説します。
気象のリスク4選
最近は登山用の天気予報サイト・アプリが存在し、天気、気温、風速など様々な要素を予報してくれます。
しかし、この予報は100%正確ではありません。晴れ予報なのに雨だったり、雨予報なのに晴れたり、A社のサイトでは晴れなのにB社のサイトでは雨なんてことがあります。
そのため、あらゆる気象について理解しなければ安全に登山はできません。4つのリスクについて解説します。
- 雨:低体温症、沢の増水、滑りやすくなる
- 風:体温低下、歩行困難
- 台風:大雨、土砂崩れ
- 気温:1000mで約6度下がる
雨:低体温症、沢の増水、滑りやすくなる
雨によって生じるリスクを3つ取り上げます。
✓低体温症
✓の増水
✓滑りやすくなる
低体温症
山で発症する低体温症は寒さ(気温)によるものではなく、汗による体温低下です。
登山中に雨が降ってきたらレインウェアを着ます。レインウェアは雨を防ぐためのウェアであり、雨をウェア内に侵入させないために生地が密に作られています。
生地が密であることで雨を防げるのですが、反対に内部の汗を外に放出しにくくなります。
100均のビニールポンチョを着たことがある方はわかると思うのですが、雨は防げても内部は自身の汗で濡れてしまいます。
レインウェアの場合、透湿性という汗を放出する性能があるため、ビニールポンチョのようにビチャビチャに濡れることはありません。
しかし、発汗量が多ければ外に放出しきれず、ウェア内に溜まります。その溜まった汗が汗冷えを起こし、低体温症に繋がります。
沢の増水
沢の増水が危険な理由は
✓雨が降っていなくても増水する
✓下山時は水量が多くなる
の2つです。
山は上部(山頂付近)だけ雨が降り、下部(登山口付近)は降らないことがあります。上部で大量の雨が降れば沢が増水する可能性があります。
また、登りは渡渉できても下山時は水量が多くなり渡渉できないこともあります。
滑りやすくなる
雨が降ると木の根や石が滑りやすくなります。
「じゃあ、木の根や石に足を置かなければいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、それは難しい話なのです。
登山は非常に疲れます。疲れていると楽に足運びできることを考えてしまいます。
目の前に石があれば、滑りやすいと分かっていても足を置きたくなるのです。
また、木の根や石は形状がバラバラで平面ではありません。凹凸があり斜めになっていることが殆どなので、滑りを誘発させます。
とはいえ、滑ると怪我につながるため注意が必要です。
風:体温低下、歩行困難
風によって起こるリスクは
✓体温低下
✓歩行困難
の2つです。
風速が1m強くなると体感温度は1度下がります。気温が20度で風速3mの場合、体感温度は17度になります。
山は平地よりも風が強いです。特に稜線や視界が開けている場所だと風速20m程になることもあり、姿勢を維持するので精一杯になることがあります。
台風:大雨、土砂崩れ
台風は言うまでもなくとても危険です。台風が通過している最中は登山をしないことが定石です。
注意していただきたいのは、台風通過の前後も十分なリスクがあります。
台風通過直前は、温暖な空気が流れ込み大雨が降る可能性が高いです。地盤の緩みと沢の増水が起きます。倒木や土砂崩れ、落石など山のいたる所で発生します。
沢が増水し渡渉できない、登山道が崩落し通れない、など遭難する可能性が高まります。
気温:1000mで約6度下がる
山は平地と比べ気温がかなり低いです。これは、標高が1000m上がると気温が約6度下がるからです。
また、地域によって気温は異なり、北海道や東北、中部山岳地帯は特に低く、早ければ9月下旬に雪が降ることがあります。
平地と同じ感覚で登れば低体温症や雪による歩行困難のリスクが高まります。
リスクへの対処方法
登山における気象のリスクを4つ解説しました。
この4つのリスクへの最善の対処方法は、登山に行かないことです。
台風はもちろん雨や風や気温は、天気予報でチャックできます。予め登山に適さない悪環境なのであれば、登山に行くべきではありません。
しかし、全ての気象を天気予報でチェックできるわけではありません。予想外なことが起きた時に適切に対処できるようにしましょう。
また、初心者はリスクを回避するために山選びも重要になってきます。
合わせてこちらもご覧ください。
- 【雨具】適切な道具を身に付けよう
- 沢のある山は行かない
- 風が強ければ撤退と避難と保温に努めよう
- 外的要因にレイヤリングで対応しよう
【雨具】適切な道具を身に付けよう
雨が降り始めたらレインウェアを着ます。体を雨で濡らさないためにレインウェアは必須な装備です。しかし、それだけでは全身を守ることができません。
手は露出しているためグローブが必要になり、靴は防水性の高い靴が必要になります。
具体的に必要な装備を上げると
✓レインウェア上下
✓レイングローブ
✓スパッツ(ゲーター)
✓登山靴(防水)
✓ザックカバー
✓防水のスタッフバック
が必要になります。詳しくはこちらで解説しています。
沢のある山は行かない
雨が降っている日、降りそうな日は沢のある登山はやめましょう。
沢は非常に危険です。水位が腰の高さまであれば容易に流されます。そこまで高くなくとも水流が強ければ足がすくわれ転倒します。また、濁っていれば地面の形状がわからず歩行が困難です。
また、登りは渡渉できたのに雨が強まり下りは渡渉できないこともあります。その時は停滞を決意しましょう。安全が最優先です。むやみに渡渉するのは危険です。
風が強ければ撤退と避難と保温に努めよう
風が強くこの先は危険だと感じたら撤退しましょう。しかし、撤退はとても勇気のいる判断です。
何日もかけて準備をして限られた休日の中で登山をするため、絶対に登頂はしたいですよね。また、山頂が目先にあれば風が強かろうが登りたくなるはずです。
しかし、どんな状況でも自身の安全が第一優先です。風が強く危険であれば撤退が最善策だと言えます。
「山は逃げない」という言葉があります。またリベンジすればいいのです。
また、稜線など撤退できない状況では避難と保温に努めましょう。避難する場所は大きな岩の陰や窪地が挙げられます。風から身を守り体温を維持しましょう。
避難と同時に保温すると有効です。ダウンジャケットやフリースなどの保温着を羽織り保温します。
外的要因要因にレイヤリングで対応しよう
レイヤリングとは重ね着のことです。目的は「雨や風や気温などの外的環境から身を守り、適切な体温を維持する」ことです。
山は天候が急変します。そして、天候の変化によって気温や体感温度も変化します。あらゆる要因に対処し、体温を維持しなければなりません。
レイヤリングは「アウターレイヤー」「ミドルレイヤー」「ベースレイヤー」の3つの層で構成されています。
各レイヤーを上手く機能させることで、適切な体温が維持されます。
登山における気象のリスク4つとその対処法について解説しました。
安全第一で登山を楽しみましょう!
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